食と文化

世界的な希少価値は世界遺産だけではなかった!

収穫された青梅が緑のコンテナに集められている様子
田辺・みなべ地域の梅産業を伝える旧記事のアイキャッチ画像。

和歌山の梅文化と、田辺市・みなべ町で受け継がれてきた世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を紹介した記事です。

和歌山の梅は文化、ライフスタイル

和歌山といえば、梅干しやみかんを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実際には柿、ぶどう、いちごなどの果物や野菜、海や川の幸、ジビエなどもありますが、この記事では梅に注目します。

和歌山県で梅の産地といえば、田辺市とみなべ町です。地域には梅の木が広がり、花が咲く時期はもちろん、収穫前や収穫期にも美しい景観を見ることができます。

梅の収穫は一気に行われるため、町全体が祭りのような活気に包まれます。収穫された梅をランク分けし、小分けしていく作業も、この地域の梅産業を支える大切な工程です。

収穫された梅が大量に並んでいる様子
収穫期の梅。記事では「ほんの一部」として紹介されていました。
梅がケースに入れられて選別されている様子
収穫後の梅を分けていく工程。
箱詰めされた梅が並んでいる様子
ランク分けや小分けを経て出荷に向かう梅。

見習うべき、高効率システム

梅の国ともいえる和歌山県田辺・みなべ地域には、世界農業遺産でもある「みなべ・田辺の梅システム」があります。

農業遺産は、伝統的な農業手法の伝承や、それを行う農地・周辺環境の保護を含む考え方です。よく知られる世界遺産とは位置づけが異なりますが、地域の営みと環境を守る重要な仕組みです。

「みなべ・田辺の梅システム」は、養分に乏しい傾斜地を活用し、自然と共生しながら高品質な梅を生産するシステムです。その歴史は400年以上に及びます。

里山の斜面を梅林として利用し、周辺に薪炭林を残すことで、水源涵養や崩落防止の機能を持たせ、薪炭林に住むニホンミツバチと梅との共生も生まれています。梅栽培の歴史の中で培われた地域資源を活用し、梅を中心とした農業と生活が続いてきました。

発展を続ける世界農業遺産のこれから

この梅産業から広がる文化と景観、先人の知恵と工夫で作られた農業システムは、平成27年12月15日に世界農業遺産に認定されました。

みなべ町、田辺市、和歌山県、紀州農業協同組合、紀南農業協同組合などで構成される「みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会」では、認定から5周年を迎えた当時、認知度向上のための動画配信などに取り組んでいました。

動画では、当時「梅システムマイスター」となった県立神島高校の生徒がリポーター役を務め、地域の生産者や団体の活動を取材していたと紹介されています。

梅の文化、農業の仕組み、景観が重なっていることこそ、田辺・みなべ地域の魅力です。食としての梅だけでなく、暮らしと土地の知恵として見ていく価値があります。

参考: 旧サイト記事および「みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会」関連記載